Q 従業員に対して社宅を貸与した場合、所得税の源泉徴収をしなければならない場合があるそうですか、どのような場合ですか。
A 一定の算式で求めた賃貸料相当額の50%以上を徴収していない場合には、源泉徴収が必要になります。
解説
会社が、従業員に対して無償又は低額の賃貸料で社宅等を貸与した場合には、次の算式により計算した賃貸料相当額とその従業員から実際に徴収している家賃等との差額に相当する金額の現物給与の支給があったものとして、課税がなされます。(役員社宅は、Q14参照)
(賃貸料相当額の計算式) その年度の家屋 その家屋の総床
(月額) = の固定資産税の×02%+12円× 面積(u)
課税標準額 3・3m
+その年度の敷地の固定×0.22%
資産税の課税標準額
注1:自己所有の住宅等だけでなく、他から借り受けた住宅等を社宅等として使用人に貸与する場合にも、この算式を用います。
注2:上記算式は、敷地だけを貸与している場合には、適用されません。
注3:固定資産税の課税標準額が改訂された場合であっても、その改訂後の課税標準額が現に賃貸料相当額の計算の基礎になっている課税標準額に比して20%以内の増減にとどまるときは、賃貸料相当額を改訂する必要はありません。 ただし、従業員から徴収している賃貸料が、上記算式の賃貸料相当額の50%以上である場合には、その差額については課税されないこととされています。 また、社宅等が数多くある場合には、個々の社宅等すべてについて50%以上徴収していなければならないということでもなく、その貸与した住宅等の状況に応じてバランスのとれた賃貸料を徴収している場合で、その徴収した賃貸料の合計額が賃貸料相当額の合計額の50%以上になるときも適正な賃貸料が徴収されているものとして取り扱われます。
なお、会社が、従業員等に対して社宅等を無償で提供している場合であっても、その社宅等が、職務の遂行上やむを得ない必要に基づき会社がその者の居住する場所として指定したものについては、上記にかかわらず、所得税は課税されません。
具体的には、次のようなものがこれに該当します。
@常時交替制により昼夜作業を継続する事業所等で、その作業に従事するため、常時早朝や深夜に出退勤する人に対し、その作業に従事させる必要上提供する家屋又は部屋
A通常の勤務時間外においても勤務することを常例とする看護婦、守衛等その職務の遂行上勤務場所を離れて居住することが困難な人に対し、その職務に従事させる必要上提供する家屋又は部屋
B早朝又は深夜に勤務することを常例とするホテル、旅館、牛乳販売店等の住込みの使用人に対し提供する部屋
C季節的労働に従事する期間、その勤務場所に住込む使用人に対し提供する部屋