Q 従業員間の親睦を深めるサークルに対して交付する活動費用について、源泉徴収が必要な場合があるそうですが、どのような場合ですか。
A 活動費用やその費用で購入した用具や備品等を、サークルに加入している各人で分配しているような場合は、源泉徴収が必要になります。
会社が、従業員の福利厚生の一環として実施するサークル活動の費用を負担した場合、その費用が給与として課税されるかどうかは実態判断になるのですが、次のような要件を満たすものについては、給与として課税されないこととされています。
したがって、たとえば次のようなサークル費用であれば、給与として課税されることはないものと思われます。
@講習会の講師への謝礼
サークルに専門家を招いて加入員全員が指導を受けるような費用
A用具、備品等
サークル活動に必要な用具や備品等で、加入員全員が使用するものに支出する費用
B大会の賞品等
サークル内で大会を開催する場合の賞状やカップ、記念品などで金額が少額なものに支出する費用
C試合参加費用
対外試合への参加費用や交通費などで、サークル全体が参加するものに支出する費用
注: サークルに対して支給した金銭が、サークル活動の本来の目的に費消されていることを記録して明らかにしておくとともに、用具や備品等をサークルで管理しておく必要があります。
しかし、活動費用がこのように使われず、たとえば、@活動費用をサークルに加入している各人に分配して費消しているとか、A活動費用で購入した用具や備品等を個人に分配しているといった場合には、給与として取り扱われることになりますので、この場合には源泉徴収が必要となります。
なお、会社がスキーやボウリング大会を企画して希望者を募り、その費用を負担するような場合は、その企画が社員の誰もが参加でき、かつ、その費用の額が社会通念上一般的に行われていると認められる程度のものであるときは、給与課税は行われません。
しかし、その企画には役員など特定の従業員しか参加できず、また、負担する費用の額が多額であるような場合は、給与として課税されますので、この場合には源泉徴収が必要となります。
また、行事に参加できなかった従業員に対して金銭を支給するという場合は、その金額の多寡にかかわらず、その金銭の額はその支給した従業員に対する給与となりますので、この場合もやはり源泉徴収が必要となります。