Q 当社では、中途採用者に対して手取額ベースで賞与を決めています。この場合の源泉徴収税額は、どのように計算するのでしょうか。
A 手取額ベースで賞与を決めていても、源泉徴収税額は支給総額を基に計算しなければなりません。
解説
最近、給与だけでなく賞与も手取額ベースで決めるという場合が結構あるようです。
それは、社員にとって生活プランが立てやすいという理由からなのでしょうが、源泉徴収税額を計算する場合には、手取額ベースで計算するというわけにはいかず、支給総額(手取額+源泉徴収税額)を基に行わなければなりません。
その具体的方法は、次の場合に応じ、それぞれ次のように求めます。
(設例1)前月中に支払った通常の給与がある場合
・賞与の手取額 1,000,000円
・前月中に支払った通常の給与の額 177,046円
(社会保険料控除後)
・扶養親族等の数 2人
・給与所得者の扶養控除等申告書の提出 有
(税額計算)
@ 「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」の「甲欄」より、「扶養親族等の数」が2人、「前月の社会保険料控除後の給与等の金額」が177,046円である場合の「賞与の金額に乗ずべき率」4%を求めます。
A @で求めた率を次の算式にあてはめて得た金額が税額です。
賞与の手取額×A{前月の社会保険料控除後の給与等に対応する率(@の率)}
100−A
=1,000,000円× 4
100−4
=41,666円(円未満切捨て)
(設例2)前月中に支払った通常の給与がない場合
前月中に支払った通常の給与がない場合は、次の手順で税額を求めます。
@手取賞与の6分の1(賞与の計算の基礎となった期間が6ヶ月を超えるときは12分の1)の額を求めます。
1,000,000円÷6=166,666円
A@で求めた額を税引後の給与の額とした場合の源泉徴収税額610円を求めます(Q1参照)。
BAで求めた税額を6倍(又は12倍)した額が賞与から源泉徴収する税額になります。
源泉徴収税額=610円×6=3,660円