Q 役員や従業員に会社の資金を貸付ける場合、所得税の源泉徴収が必要になる場合があるそうですが、どのような場合ですか。
A 一定の場合を除き、通常の利息相当額を徴収していない場合には、所得税の源泉徴収が必要になります。
解説
会社が役員や従業員に資金を貸し付ける場合、次に掲げる通常の利息相当額を徴収していないときは、通常の利息相当額と実際に役員又は従業員から徴収している利息との差額に相当する金額の現物給与の支給があったものとして取り扱われますので、会社はその現物給与について源泉徴収する必要が生じます。
(通常の利息相当額)
@会社が他から借り入れて貸し付けたものであることが明らかなもの
その借入金の利率により計算した利息相当額
A上記以外
年4.5%(平13.1.1以後の貸付けに適用)の利率により計算した利息相当額
注:上記の利率より低い利率であっても、その利率が会社の平均調達金利など合理的な基準に基づくものであれば通常の利息相当額として認められます。
ただし、その貸付けが次に該当するものであるときは、その経済的利益に対しては課税しないこととされていますので、源泉徴収の必要はありません。
@災害や疾病等の臨時的生活資金で、返済に要する期間として合理的と認められる期間内に受ける経済的利益
Aその年の(事業年度)の利息合計額が5,000円以下である少額な経済的利益
また、会社が、宅地の取得や住宅の建築をする従業員(会社の役員等に対しては適用がありません)に対して資金の貸し付けを行う場合や利子補給をする場合には、住宅政策等の見地から、一定の経済的利益には課税されませんが、それを超える経済的利益には課税することとされています。
課税となる経済的利益とは、平成14年12月31日までの間に受ける経済的利益のうち、次の算式で計算した金額です。
@低利貸付けの場合
課税される=住宅取得資金につき年1%の利率− 住宅取得資金について
経済的利益 により計算した利息相当額 実際に支払う利息の額
A利子補給の場合
課税される=住宅取得借入金につき−(住宅取得借入金−利子補給)
経済的利益 年1%の利率により計算 について実際に 金の額
した利息相当額 支払う利息の額
つまり、従業員の負担する最終的な金利が年1%以上になる場合は、経済的利益に対する課税は行われませんが、1%未満になる場合は課税が行われれ、この場合には所得税の源泉徴収が必要になります。